蒼の花と荒れる野獣Ⅱ




あたしがこちらに渡りたいと願った時、やはりママは反対した。


それは当然だった。


あたしに危険が及ばない為に、日本からあたしを遠ざけたのだから。


あたしがまたこちらに来てはその意味がわからなくなってしまう。


それでもと願うあたしにママはとても悩んでくれて。


そして出した決断だった。



ママは仁に絶大な信頼を寄せている。


なぜかはよくわからないし、ママにも分からなくていいと言われたから、気にしないことにするけれど。



あたしを1人にしない、ということが目的のひとつだったことは確かである。



あたしがもし、仁と獅獣のみんなと仲直りが出来なければ、ママが決めたホテルに泊まって、ママが決めた飛行機に乗って、イギリスへ帰る。


出来たならばキャンセルすれば良いと、ママはそう言って何でもない顔をした。



そしてもう一つの約束は、仁にママとの約束を話さないということだった。



仁にその話をしたらのなら、何が何でもここに住まわせるはずだ。


彼はママの言葉に忠実であるから。


そのせいで、仲違いを生ませる原因になってはいけないとママは語った。


『大切なのはみんなの気持ちよ』


それを壊してはいけないとも。

だから、敢えて黙るという選択になった。


もし破れば、あたしが再びイギリスに行くという約束で。