蒼の花と荒れる野獣Ⅱ




「分かりました」


玲は頭の良い子だ。



言われた意味を理解したらしい。


「この方々を送り出すまで誰一人動くな」


「玲…」


「俺は取引をした。真っ当に返すのは当然なはずや」


そう言えば、誰も動かなくなった。


「…失礼するわ」


そういうと、足早にその場を離れる。


…この敷地を歩いている時は何もしない。


だが、恐らくはこの敷地内で何もしないだけだ。


尾行は着くだろうし、出た後には何かしらの報復が待っているだろう。


玄関を出た時、僅かに聞こえる足音にやはりか、と目を伏せるしかなかった。



目には目を、歯には歯を。


この組はそれを“ 真っ当 ”として考えている部類だ。



だから、必ず報復もある。




「佐々木さん。こんな面倒なことに首を突っ込ませて、すみません」


立ち止まって頭を下げると、佐々木さんがふふと笑った。


「今更何を言ってるんですか?この計画を知った時にはもう面倒だって分かっていましたよ」


にこりと微笑んだ佐々木さんは続ける。


「わたくしは知っていますから。…貴女がわがままを言う時は必ず誰かの為です。分かっているから、今回の件には手を貸しました」


「…佐々木さん」


「スペシャルゲストを呼んでますので、そのうち来るでしょう。あとの処理は彼らにまかせれば良い話です」


スペシャルゲスト?


聞いてないのだけど。


「誰のこと?」


「さあ?それは来てのお楽しみ、ということで。わたくしたちは、




_________彼らとの鬼ごっこを楽しみましょうか」