「分かりました」
玲は頭の良い子だ。
言われた意味を理解したらしい。
「この方々を送り出すまで誰一人動くな」
「玲…」
「俺は取引をした。真っ当に返すのは当然なはずや」
そう言えば、誰も動かなくなった。
「…失礼するわ」
そういうと、足早にその場を離れる。
…この敷地を歩いている時は何もしない。
だが、恐らくはこの敷地内で何もしないだけだ。
尾行は着くだろうし、出た後には何かしらの報復が待っているだろう。
玄関を出た時、僅かに聞こえる足音にやはりか、と目を伏せるしかなかった。
目には目を、歯には歯を。
この組はそれを“ 真っ当 ”として考えている部類だ。
だから、必ず報復もある。
「佐々木さん。こんな面倒なことに首を突っ込ませて、すみません」
立ち止まって頭を下げると、佐々木さんがふふと笑った。
「今更何を言ってるんですか?この計画を知った時にはもう面倒だって分かっていましたよ」
にこりと微笑んだ佐々木さんは続ける。
「わたくしは知っていますから。…貴女がわがままを言う時は必ず誰かの為です。分かっているから、今回の件には手を貸しました」
「…佐々木さん」
「スペシャルゲストを呼んでますので、そのうち来るでしょう。あとの処理は彼らにまかせれば良い話です」
スペシャルゲスト?
聞いてないのだけど。
「誰のこと?」
「さあ?それは来てのお楽しみ、ということで。わたくしたちは、
_________彼らとの鬼ごっこを楽しみましょうか」



