「なあに?怖がりなウサギさん」
「…仲間になっとくれ」
「あーら、聞き間違いかしら?あんなに強がっていた貴方が、ねえ」
「いいからはよせ!千夏なんて欲しけりゃ好きにしやいい!早く、東屋の野郎を…」
ぷつん、とあたしの中で何かが切れる音がした。
「人を何だと思っているの?」
欲しけりゃ好きにしろよ、ですって?
「それとも。なあに、馬鹿にしているの?」
「…いや」
誰にでも適当に扱われていい命、なんてない。
分かってない。
人の痛みを知らない人間が、本物のトップになんかなれるはずがない。
「…まあ、いいわ。協力してあげる。あたしが協力すると言ったからには必ず成功させるわ」
貴方たちの成功とは少し違った形にするつもりではあるけれども、そんなこと向こうも想定しているだろう。
どう動いてくるのかしら。
楽しみだけど、トップには相応しくないと、分かったから。
全力であたしの思う通りに進めさせてもらうわ。
「連絡用のアドレス。何かあったら、そこによろしくね」
さよならと、言ってにこりと笑うと。
「失礼いたします」
ノックもなく、引き戸を開けた佐々木さんが。
「和佳菜様」
そう呼ぶから、あたしも頷いた。
「じゃあ失礼するわ」
そう言って部屋を出た。



