蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



「なあに?怖がりなウサギさん」


「…仲間になっとくれ」


「あーら、聞き間違いかしら?あんなに強がっていた貴方が、ねえ」


「いいからはよせ!千夏なんて欲しけりゃ好きにしやいい!早く、東屋の野郎を…」


ぷつん、とあたしの中で何かが切れる音がした。


「人を何だと思っているの?」



欲しけりゃ好きにしろよ、ですって?


「それとも。なあに、馬鹿にしているの?」


「…いや」


誰にでも適当に扱われていい命、なんてない。


分かってない。


人の痛みを知らない人間が、本物のトップになんかなれるはずがない。


「…まあ、いいわ。協力してあげる。あたしが協力すると言ったからには必ず成功させるわ」


貴方たちの成功とは少し違った形にするつもりではあるけれども、そんなこと向こうも想定しているだろう。


どう動いてくるのかしら。


楽しみだけど、トップには相応しくないと、分かったから。


全力であたしの思う通りに進めさせてもらうわ。


「連絡用のアドレス。何かあったら、そこによろしくね」


さよならと、言ってにこりと笑うと。


「失礼いたします」


ノックもなく、引き戸を開けた佐々木さんが。


「和佳菜様」


そう呼ぶから、あたしも頷いた。


「じゃあ失礼するわ」


そう言って部屋を出た。