くすりと、静かに笑う。
「どうしてですって?仁が玲君が頭になるまでの中継ぎにうってつけだからよ」
「いちいち銀深会の若頭連れてくることはないやろ。なんなら、中途半端に力をつけた幹部あたりを引き抜く方がいい判断に決まっとるやろ」
「…馬鹿ねえ。そんなことであたしが騙されるなんて思っているの?」
確かに仁を引き抜くにはこちらもさまざまなリスクを抱える。
だけど、仁を引き抜くことこそに意味があるのだ。
「そうね、少しいい方を変えた方がよかったわね。仁さえ銀深会から遠ざけることができれば、それでいいのよ」
初めて青山の目が僅かに揺れた。
あたしは知っている。
あなたたちの目的は仁を青山側に引き入れることではない。
「言ったでしょう?貴方の最終的な目標は東西関係なく、青山が支配すること」
「俺は言っとらんけど」
「間違えていないとは思うけれども、まあ、その話はいいや。今の銀深会の状態が良くないことは貴方も知っている筈。仁がいなくなれば、あそこは簡単に崩れることも」
銀深会は今とても弱っている。
そこに漬け込めば…仁さえ居なくなれば。
だから、裏切られたって構わない。
頭になる上で玲に大切なことを教えなくても構わない。
一度でもそこ立ち退けば、堕とせる。



