だけどあたしは続ける。
ねえ、あたしは貴女が思うような人生を歩んできたわけではないよ。
あたしの人生、全てが幸せではないの。
「どこまでいっても終わらない。あたしが進級して、飛び級して。それを繰り返しても、環境は変わらない」
「……誰かに、相談できなかったの?」
か細い声だった。
それが彼女のものだとわかるには少々時間を要した。
「できなかったわね。そこら辺だけ、無駄に子供なあたしは一緒に住んでいたグラマには心配かけないようにと、思っていたから」
まあ、そうやってどんどんふさぎこむことが1番迷惑をかけることなのに。
小学生の年の頃のあたしが知るはずもなかった。
下を向いた彼女に尚も問いかける。
「ねえ、知らないでしょう?あたしがなんの苦労もしていないと思っていたでしょう?それで、あたしの人生の何をしっているの?」
「…っ」
「わかるわけがない。あたしの苦しみなんて、誰にも分からない。それは貴女のことも同じよ。貴女は沢山苦しんできたのかもしれないわ。でも、あたしは貴女じゃないから分からない」
それでも、と息を吸った。
「貴女が沢山努力してきたことは充分伝わった」
「え…?」
「貴女の“ ヒトを欺く力 ”それは恐らく、才能ではなく、努力の結果でしょう。貴女はヒトの表情や行動をよく見る目を身に付けたのね」
千夏ちゃんが思い切り目を見開いた。



