言葉が途切れる。
息があがる。
だけど、伝えなければならない。
頬が紅潮しても、目が潤んでも。
「あたしが、ここで過ごした日々は特別でした。大好きで、大切で。だけど、それを壊さなければあたしはイギリスに行けないと思いました」
あたしの踏ん切りが、諦めがつかないと。
弱いあたしは縋ってしまう、こうして。
だから、余計な言葉まで吐いて、断ち切ろうとした。できなかったけれども。
「理解してほしい、なんて言いません。あたしのわがままで離れたから、こんな気持ちを分かってほしいなんて、言う権利はあたしにはない。だけど」
だけど。
「ここでの生活があたしの人生の中で1番楽しかったことだけは、信じてください」
とても。
とても、楽しかったの。
「もう、嘘なんてつきません。言いません。だから、この言葉だけは…!」
嘘つきなあたしが、信じてなんていうこと自体おかしいと思う。
それでも、どうしても信じて欲しかった。
どうしても、それだけは嘘だと思って欲しくなかった。



