蒼の花と荒れる野獣Ⅱ





言葉が途切れる。


息があがる。


だけど、伝えなければならない。


頬が紅潮しても、目が潤んでも。


「あたしが、ここで過ごした日々は特別でした。大好きで、大切で。だけど、それを壊さなければあたしはイギリスに行けないと思いました」


あたしの踏ん切りが、諦めがつかないと。


弱いあたしは縋ってしまう、こうして。


だから、余計な言葉まで吐いて、断ち切ろうとした。できなかったけれども。


「理解してほしい、なんて言いません。あたしのわがままで離れたから、こんな気持ちを分かってほしいなんて、言う権利はあたしにはない。だけど」


だけど。



「ここでの生活があたしの人生の中で1番楽しかったことだけは、信じてください」




とても。



とても、楽しかったの。




「もう、嘘なんてつきません。言いません。だから、この言葉だけは…!」


嘘つきなあたしが、信じてなんていうこと自体おかしいと思う。


それでも、どうしても信じて欲しかった。



どうしても、それだけは嘘だと思って欲しくなかった。