「あやみさん、その人は自らをマーク・スティーブンと名乗ったのですか?」
「…そうよ?お連れの方も何人か見られていたし、その顔はみんなが知ってるマーク,スティーブンだったわよ?」
そう、あの人は顔が割れている。
あの人の顔はこの世界に関係なくみんなが、知っている、…全世界に指名手配されているからね。
ねえ、でもあたしの知っているマークとは明らかに違うのよ。
マークはそんな人ではない。
約3年も一緒にいたのよ。
あの人があたしを知りすぎているほどよく知っているのと同時に、あたしもまたマークをとてもよく知っている。
子供に拳銃を握らせないように、ひたすらに幼い子を護ったあの人の姿を絶対に嘘だとは言わせない。
駄目、なんだか混乱してきた。
顔だけを見れば、その人は間違えなくマークなのだろう。
性格は、とてもそうとは思えない。
マークは約束を平気で破るし、何より。
子供のことは何よりも大切にする人間だ。
あたしが一緒にいた3年間と、時期が被る。
じゃあ、あのマークは、あたしの前だけで見せた演技?偽物?
…親子の命を奪った人間。
その人は。
一体誰?



