「ほら、さっさと挨拶しろよ。俺があいつの目の前で堂々とこいつが姫だとでも言ってやるよ」
「そんなのみんなが不満なんじゃ」
「それを黙らせるのが、俺の仕事だろ」
綾はあたしより少し前に出ると。
「みんな、少し聞いてほしいことがある」
そう、各々の時間を過ごすしたっぱの彼らに呼びかけた。
しんと、一気に静まり返る倉庫は、やはり綾の力が強いのだと感じる。
「…今日は久しぶりに帰ってきた仲間が挨拶する。しっかり聞けよ」
綾はそういうとそっとあたしの背中を押した。
一度振り向いててしまうあたしに、行ってこいとだけ声をかけると、数歩後ろに下がった。
さあて、あたしの逃げ場は無くなった。
どんなことを言われても、取り消し不可能な言葉は、ずっとそのままだ。
彼らを変えることなんてできない。
だから、結局あたしは。
ありのままを伝えることしか出来ない。



