「ありがとうな、和佳菜」
柔らかく笑った琢磨はあたしの頭に手を乗せた。
「…うん。ママには、あたしからは言わないでおくわ。琢磨の好きなタイミングで言うことがベストだと思うから」
そろそろおろして、と置かれた手をあたしの両手でおろさせた。
「それで、こっからが本題なんだけど」
随分と長い前置きを経て、琢磨があたしの目を見た。
「瑞樹に渡したいものがあるんだけど、瑞樹は今日は忙しいから代わりに和佳菜に渡しといてって言われたんだ」
そう言いながら、はいと手渡されたものは、封筒だった。
「なに?これ」
「見ればわかるから。瑞樹によろしく伝えておいて」
じゃあな、と琢磨はバッグを持った。
待って、まだ行かないで。
琢磨…あたしの大切な叔父さん……。
「琢磨」
叫んだ声は琢磨の耳に聞こえたようで間口で立ち止まる。
「琢磨の“ やること ”は終わったの?」



