「なにが…」
「あたし、貴方を嫌いだなんて思ってないわよ」
かっと琢磨が目を見開いた。
「なんで…」
「え、琢磨はあたしに嫌われたかったの?違うでしょう。貴方が暴走族から暴力団への道を進んだのはママのことがあったからでしょう?」
あたしのママは、とても意志の強い人で。
それが故に親族からはあまりいい目では見られていなかった。
それを守ってくれていたのは琢磨であって、ママはそれにとても感謝していたことをいつだったママはあたしに話してくれていた。
だけど、そんなママが24の誕生日を迎えた翌日に連れ去られた。
琢磨はママをすぐに見つけ、連れ去った男を重傷に至らせるまで殴った結果、琢磨は勘当、ママは遠い親族のいるイギリスに逃げることを選ばなければならなかった。
今更だけど、琢磨がお祖父様の誕生パーティーに呼ばれない理由がわかった気がする。
勘当された琢磨は、家の敷地を跨ぐことは許されないものね。
『琢磨ったら、俺がもっと強ければ守れたのになんて言うのよ?強くても強くなくてもどっちにしろあたしは連れ去られてたのに』
ケタケタ笑ったママは、それから少し悲しそうに瞼を下ろした。
『だから琢磨のせいだなんてあたし一度も思ったことはないし、言ってもないのよ』
責任を感じる方がおかしいのよ。
それでもママは琢磨の後悔について、ママ自身がかなりつらそうにしていた。
「ママもね、多分琢磨の職業のことは知っていたと思うよ」



