「新人さん?べっぴんな子を連れてきたねえ」
若干酔ったご年配の男性のお客様に苦笑いを浮かべながら、ありがとうございます、と返す。
それからマスター…もとい佐々木さんに目を向けて。
「こんな子、どこでみっけたの?」
「秘密、ですよ。さあ、金崎(かなさき)さん。次はどうしますか?」
「ん〜今回はこれだけにしとく。明日もあるし。お金はこれで充分でしょ。あ、お釣りはこの子の給料に回しといて」
独り言をつぶやくように喋ると、一万円札をどこからか抜き出し、置くと、おぼつかない足取りで出口へと向かった。
「ありがとうございました」
と、冷静にグラスを拭く佐々木さんとは対照的にあたしはおどおどとしていた。
「…え、あ、ありがとうございました。なんですけど、え、あのお客様、一杯しか飲んでいませんよ?」
いいのでしょうか?と、戸惑うあたしに佐々木さんは至って穏やかに微笑んだ。
「金崎さんがいいというから良いのでしょう」
そうしたら今度は佐々木さんが驚きの発言をした。



