蒼の花と荒れる野獣Ⅱ







いよいよ開店時間となった。


「よろしくね。和佳菜様」


にっこり微笑んだ佐々木さんにずっとお願いしたかったことを、告げた。


「あの、佐々木さん。あたしは仮にでも従業員として働いている身なので、せめて働いている間は様づけはやめて頂きたいのですが」


今まではマークのお気に入りだからと、気にしないようにしてきたのだけど、流石に客に訝しがられてしまう。


昔から様づけだけはいつになっても慣れない。


これを機になくなるといいなあ、なんてぼんやり思いながらそう提案してみた。


「そうですか。まあ、それは時と場合による。ということにしましょう」


「時と場合による。というのは?」


「さすがにマーク様の前で様づけをしないで呼んだのなら、私殺されかけないので」


それは分からないでもない。


マークはそういうところは厳しいから。


「じゃあ、マークの前以外で、ということにしましょうか」


はい、と微笑んだ佐々木さんに安心した。