蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



手を引かれ、そのまま暗い裏路地に連れ出される。


そしてどこかへ歩き出した。


ふわりと甘い香りが漂う。


それはよく嗅いだことのある匂いで、懐かしさを感じたが。


その人があたしの想像する人と同一人物であるはずがないのだ。


あたしの手を引くその人はあたしの前を歩くから、顔は見えない。


だけど、声も匂いも、若干特徴的な歩き方も。


あたしにはその人、にしか見えなかった。



やがて行き着いた先は、とある店で。


古くてみすぼらしい煉瓦造りの店だったけれど、ちゃんと営業をしている、ということだけははっきりとわかった。


そして目の前にいるその人は、カランコロンとdogsとよく似たベルを鳴らして、そのドアを開けた。