和泉くんは優しすぎる










「今から帰んの?」


「うん!真鍋くんが送ってくれるって!」







嬉しそうな橘さん。

それに大して真顔の真鍋くん。


こう見えて真鍋くん、橘さんにベタ惚れだからなぁ。







「ちゃんと送れんの?」


「当たり前」





へぇ、と和泉くんは馬鹿にしたように笑う。

それに真鍋くんはムッとしたようで、和泉くんを睨みつけた。

空気と化した私は、大人しくその様子を見守る。



うん。早く終われ。







「なんなら、俺もついてってやるけど?」


「いらない。暇ならそこの女でも送ってやれば」






そう私を指して、真鍋くんは橘さんの手を引いて帰っていった。




え、なに、和泉くんの取り巻きとでも思われた?

………完全に勘違いされたわ。






ファンっていうか、応援してるだけっていうか。

橘さんはもう真鍋くんとラブラブだから無理だし、新しい恋を見つけて幸せになってもらいたいっていうか。

この学校可愛い子多いし、性格も悪くないから言われれば紹介ぐらいは出来るし。




いや、うん。余計なお世話ってことは百も承知なんだけど。








「___しの。吉野」



『ん?』


「帰るぞ」





え。帰るって、一緒に?

それ、大丈夫かな。


またあの2人に会ったら?

他の生徒に見られたら?


確実に勘違いされるんじゃない?






「帰んねーの?」


『いや、うん。気にしないならいいけど』








勘違いされるとか、自意識過剰だったわ。