『椎名さんが、部室で倒れてるのを見つけたそうなんです。』




莉子の担任が佳奈子さんに説明する。


『バッシュを取ってくると教室を出て行って戻って来なかった。それで、部室に向かうと、白石さんが…。』


『……っごめんなさい。私が、もっと早く。部室に行ってれば…!』

『結衣ちゃんは悪くないのよっ!』


『誰がやったのか、検討はついているんですか。』


『それなんですが…。』



ちらっと、女子バスケ部の顧問の視線が俺を向いた。




『莉子は言わなかったけど、他のバスケ部の子が言ってたんです。…男バスのマネージャーが莉子に嫌がらせしてるんじゃないかって。』


『それに…、前に一度、3年の先輩に呼び出されてて。』






『その後から、……七瀬くんと関わるのを徹底的に避けてた。』





その一言で、胸が抉られたように痛む。

『…これは、私の想像なんですけど。…たぶん、莉子は、七瀬くんのことが好きな先輩や男バスのマネージャーに、』



俺の、せい…。




『七瀬くんが悪い訳じゃない。七瀬くんは無関係だ。』


先生たちが俺にそう言ってくれる。
だけど、……無関係、なんて言えねーよ。