「じゃあね奈央。寂しくなったらいつでも帰ってくるのよ?」 玄関で大きく手を振りながら後ろ向きに外へと出て行く母親 その母親の後ろで小さく手を振る父親 2人共目を真っ赤にして涙ぐんで居るのがよくわかる 「ばいばい」 白い肌に赤く染まった小さな唇が力なく上下に動き 表情一つ変えないまま 部屋の中央から両親を見送る奈央 -バタン 感動の別れなど無いまま両親は実家へと帰って行った 殺風景でダンボールと少しの家具しかない部屋の中心で玄関を見つめていた瞳が左右に動き出す