クールな君と甘いキャンディ

黒板の前までやってきたのはいいものの、ノートを片手におろおろしてしまう。


どうにかして、解けないかな。いや、無理だよね、分からない。


私、数学は苦手なんだ。これはもう正直に「わかりません」って言うしかないかな? 恥ずかしいけど……。


そんなふうに迷っていたら、すぐ横から誰かにポンと肩を叩かれ、ノートをじっと覗き込まれた。


……えっ?


見上げると、そこにいたのは有村くん。そうだ。確か彼も今、問題を当てられてたんだっけ。


「え、あ、あの……」


ノートを見られて恥ずかしくなって、うろたえる私。すると彼はそこで何を思ったのか、突然私の耳元に顔を寄せると、小声でボソッと呟いた。


「俺が問三解くから、水沢は問二やって」


「……えっ!」


思いがけない提案をされて、ドキッとする。


「で、でも……っ」


「いいから」