クールな君と甘いキャンディ

有村くんのことが好き。そう確信してから、私の頭の中はますます彼のことでいっぱいで。教室にいても、いつも彼のことを目で追ってしまうようになった。


授業中も、チラチラと彼のほうを見てしまう。集中しなきゃって思うのに、できない。


有村くんの席は、窓際の一番後ろの席。いつも彼は授業中、頬杖をつきながら窓の外を眺めている。


その瞳には何が映っているんだろう。一体何を考えているんだろう。そんなことを考えながらよそ見ばかりしていたら、ふと先生に名前を呼ばれた。


「それじゃ、問三は水沢にやってもらおうか」


ハッとして教卓のほうに視線を戻すと、数学の宮野(みやの)先生がチョークを片手に私のほうをじっと見つめている。


そうだ。今は、数学の授業中なんだった。ボーっとしてたら当てられちゃったみたい。


慌ててノートを手に持ち、黒板まで歩いていく私。すると、先生が再び確認するように言う。


「いいか~、問一は中田(なかた)、問二は有村、問三は水沢な。ちなみに問三は応用問題だから、ちょっと難しいぞ」


その声にドキッとして、もう一度自分のノートを確認してみる。すると、その当てられた問三というのは一番難しい問題で、ちょうど今解こうとして解けなかった問題だった。


ウソ……。やだ、どうしよう。問二までは解けたのに。よりによって、この応用問題を当てられてしまうなんて、ついてない。