クールな君と甘いキャンディ

それを聞いてハッとする。じゃあ、あの時のあの殴られたようなアザは……。


ケンカをしたとかそんなのじゃなかったんだ。


「そうだったんだね。だからあの時……」


「うん。それで目が腫れて、冷やしたりバタバタしてたら家出るの遅れてさ。遅刻したうえにみんなから変な目で見られるし、最悪だった」


苦笑いしながら語る彼を目の前にして、なんだか急に申し訳ない気持ちになる。


やっぱり有村くんは、不良でもなんでもなかったんだ。


それなのに、みんな勝手に誤解して、変な噂を流したりして。私も最初の頃はそれを信じてしまっていた。


きっと、有村くんはそれで嫌な思いをたくさんしたんだろうなぁ。


「……そっか。大変だったんだね」


「まぁもう、今は笑い話だけどな。ケンカしたんじゃねーかとか色々噂されてたみたいだけど、俺もとから目つき悪いから、怖い奴とか思われても仕方なかっただろうし」