そういえば、祐飛くんは何してるんだろうと思い、聞いてみる。


「あぁ、あいつならリビングでテレビ見てる。ちょうど好きなアニメやってる時間だから」


「そっかぁ。祐飛くんって、何歳なの?」


「5歳。保育園に通ってるよ」


「そうなんだ。すごく年が離れてるんだね」


「あぁ。一緒にいるとたまに、『親子?』とか言われる」


「えぇっ!」


「母親が残業で遅くなる時は、たまに俺が保育園の迎え頼まれてて。今日もその帰りだったんだ」


そう言われて、なんだかまた彼のイメージが少し変わる。


有村くん、すごくいい人だなとは思っていたけれど、まさかこんなふうに普段から弟の面倒まで見ていたなんて。ますます尊敬しちゃうなぁ……。


「そうだったんだ。偉いね。いいお兄ちゃんだね」


私がそう言うと、有村くんは困ったような顔で笑った。


「うーん、どうだろ。でもまぁ、大変だけどな。あいつ結構ワガママだし」


「そうなの?」


「入学式の時も、祐飛のせいで遅刻してさ。あいつが朝着替えるの嫌がって駄々こねて暴れるから、なだめようとしたら顔にパンチ食らって目にアザできたんだよ」


「えっ!」