クールな君と甘いキャンディ

念のため髪の毛を結びなおそうと、後ろの髪に手を伸ばす。すると次の瞬間、あることに気が付いて、ハッとした。


……あれ? シュシュが、ない。


普段は下ろしている髪を、体育の時は一つ結びにしている私。黒のヘアゴムで縛ったあとに、今日はその上からシュシュを付けていたんだけど、どこかで落としちゃったのかな?


慌てて体育館をキョロキョロと見回して探す。


だけどどんなに探し回っても、床に落ちている気配はなく、見つからない。


やだ、どうしよう……。体育館に来る前に落としたのかな。せっかく気に入っていたシュシュだったのに。


どうして自分はこう、すぐにドジをやらかしてしまうんだろう。


シュンとした気持ちになっていたら、ふと横から声をかけられた。


「おい、水沢」


驚いて振り向くと、そこに立っていたのは、有村くん。ついさっきまで女の子たちに囲まれていたはずなのに。


「あ、有村くんっ。どうしたの?」


少しドキドキしながら返したら、彼は手に持った何かを私の目の前に差し出して。


「これ、水沢のじゃねぇの?」