クールな君と甘いキャンディ

驚きのあまり、目を見開き呆然とする私。


有村くんは、ササッと自分のパンと私のパンを一緒に会計すると、パンの袋を受け取り、私の腕をギュッと掴む。


そして、強引に私をその人混みから連れ出した。


「え、あ、あのっ……」


廊下の隅っこ、私が一人うろたえていると、有村くんがそこでパッと手を離す。そして、袋から焼きそばパンとサンドイッチを取り出すと、私にひょいと差し出してくれた。


「はいこれ、お前のパン」


「わぁ、ありがとう! 有村くんっ」


どうしよう。まさか、有村くんが助けてくれるなんて。


なんだか今、一瞬彼がヒーローみたいに見えてしまった。


「あの、なんかごめんね。お金はちゃんと返すからっ」


パンを受け取り、私が申し訳なさそうに謝ると、有村くんはすました顔で言った。


「いいよべつに。このくらい」


「いやいや、でもっ、おごってもらうわけには……」


「気にすんなって。もういくらだったか忘れたし、俺」