クールな君と甘いキャンディ

ポカンとして、一瞬固まる私。


「えっと、あの……」


「いいから。水沢にやる」


半ば強引にその包みを私に握らせる有村くん。そして、そのままパッと手を離すと、目を伏せたまま。


「だから、その……昨日のお礼だよ」


「えぇっ!」


思いがけないセリフにギョッとして、大きな声が出た。


お礼って、傘を貸しただけなのに、わざわざ?


「あの、でも……っ」


こんなの、もらっていいのかな? そう聞こうとして有村くんを再び見上げたら、なんと、彼の顔が驚くほど真っ赤になっている。


あれ? どうして……。


「そ、そういうことだから。じゃあなっ!」


有村くんは少し大きな声でそう告げると、焦ったように背を向けて去っていく。


私はそんな彼を見て、驚くと同時に、何とも言えないあったかい気持ちになった。


なんだろう、今の。有村くん、なんだか照れていたような……。意外とシャイな人なのかな。