「おっせー。どこ行ってたんだよ」


未来が家の玄関を開けると、リビングからゲームの音が聞こえてきた。


「藍、きてたの」


「来てたのじゃねーよ。何時だと思ってんだよ」


「まだ21時じゃん」


未来の家のリビングの白いソファーに座り、藍はコントローラーをサイドテーブルに置いた。


「バイトの日より早いし」


「お前いつも帰りこんな遅いの?」


「別にいいじゃん」


未来は藍のとなりに座ると、サイドテーブルに置いてあった藍のコップから麦茶を一口飲んだ。


「よくねーよ」


「藍にはカンケーないじゃん」


放課後美咲たちとカラオケに行って、ファミレスで二次会に誘われたけど断ってきた。

家の掃除や明日の朝ご飯を作らなければいけない。


これでも誘いを断って早く帰ってきたのに。


ふいに藍が未来にグッと顔を近づけた。


「なに!?」


驚いた未来の心臓が少し早くなる