「ミクー!今日バイトは?」


放課後、HRが終わると親友の美咲が振り返った。


美咲は未来が高校に入学してから最初に仲良くなった。入学式の初日にHR中堂々とメイクをしていて、担任にメイク道具を取り上げられたのが美咲。


後ろの席だった未来が放課後美咲にメイク道具を貸してあげた。


「さんきゅー!この後彼氏と約束しててさ、スッピンじゃ会えないじゃん?まじ助かったよ」


未来のシャネルのメイクポーチを漁りながら、美咲はケラケラ笑った。


「いいやつばっか持ってんなー!」


「全部ママにもらった」


「ママセンスよくね!?」


「化粧する仕事だから」


「美容部員とか!?」


「んーまあそんなとこ」


「かっけー!!」


夜の仕事…は、さすがにまだ伏せておこう。


未来はふと藍のこと思い出した。