どうしよう……。
希夜くんは、私が男の人に慣れるように手伝ってくれるって言ったけど、いったい具体的に何をするんだろう。
「小山さん、手出して」
「えっ、あ、う、うん」
突然の希夜くんの提案に、いちいちビクッとなりながらそう答えて、ゆっくりと手のひらを出す。
いつもと違って、これから何かが始まると思うと妙に緊張して、身体中が暑くなって指先だけは冷たい。なんだか変な気分だ。
「やっぱり小さいね、小山さんの手」
希夜くんは、私の手のひらを見てすぐに自分の手を重ねてきたそういった。
私の小さな手に希夜くんの綺麗な手が重なって。
恥ずかしさで彼の顔は絶対に見れない。
「……希夜くんが大きいんだって」
「うん、そうだね」
希夜くんは優しくそう呟くと、今度は重ねていた手の指を私の指の間に絡めてきた。
これって……いわゆる……。
恋人繋ぎというもの。
「ほら、小山さんも握って」
「えっ、」
「慣れたいんでしょ？」
「そ、そうだけど……」
男嫌いを克服するために恋人繋ぎって必要なのだろうか。
