いつものように、希夜くんと希夜くんのご両親と夕飯を食べ終えて。
お風呂から出て部屋でゆっくりとしてる時間。

さっき、ドアの向こうから、希夜くんがお風呂から帰ってくる音がした。

今日、希夜くんに部屋に来てと言われたけれど、いざ時間が迫るとタイミングに困ってしまう。
それに、あれがただの冗談で私をからかっていただけだったら?

突然不安になって、昔のやな思い出がフラッシュバックする。

でも……。
希夜くんがそんなことするような人じゃないってことも知ってるつもりだ。

希夜くんの提案がうまくいくのかわからないけれど、ここで一歩踏み出さないと、いつまでも変われない。

「よし……」

座っていたベットから立ち上がって、私は部屋のドアを開けた。