放課後の帰り道、いつもよりも少し早足になる。
私が完璧な彼のことを心配するのはおこがましいけれど、私のせいでいつもの力を発揮できてなかったら、と思うと、どうも気になって。
希夜くんがもう家についているなんて確証はないのに。
あれから、舞子が「怪しい……」と目を細めて私のことを疑うような目で見てきたので、実は希夜くんに助けてもらったことを正直に伝えると、
舞子に「うわ、極度の男嫌いの花純が勉強教えてもらうまでになるなんて、さすが須永王子」なんて言われたけど。
そうだよね、自分が一番びっくりしている。
単純に、希夜くんと話すことで異性に慣れているだけなのか。
でも、やっぱり、今日学校で男の子を見かけると、条件反射のように避けるのは変わらなくて。
希夜くんが、特別、なのかな。
