「友達ね。俺、そこまで親しい友達いないから」

「えっ……嘘だ。それってそう思ってるの希夜くんだけなんじゃないかな。この間見たとき、女の子たちみんな希夜くんのことキラキラした目で見てたし……ほかの男子だって」

私がそう言っても、希夜くんは静かに首を横に振るだけ。
そして、再び、もう一枚のポテトチップスに手を伸ばした。

それを見て、私も自然と手が動いて同じようにポテトチップスをとる。

おかしな話だ。
こんなに顔が整ってて完璧と言われる希夜くん。
映画やドラマの世界なら間違いなく自然と人が集まってくるような。

「……何考えてるか、わかんないんだってさ」

「えっ、」

「だから、小山さんが初めてだよ」

希夜くんは、頬杖(ほおづえ)をつきながらこちらを真っ直ぐに見つめてくる。