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「ちょっと休憩しよ」
翌日の土曜日。
お昼あとに希夜くんに勉強を見てもらって2時間くらいたってたから、隣に座る彼がペンを置いてそう言った。
「お茶入れてくるから、待ってて」
「え、それなら私もっ」
立ち上がった希夜くんに慌てて声をかける。
勉強を見てもらってる上にお茶まで入れてもらうなんて、図々しいにも程があるもん。
「いいよ。小山さんは休んでて。慣れないことやると疲れるでしょ」
「でも……」
「なら今度入れてくれる?今日は俺がやる」
希夜くんはそう言って、私が答える前に部屋を出て行ってしまった。
こういうこと、ほんとスマートにできちゃう人だよなぁ。
男の子は苦手だけれど、希夜くんはどこか大人で、ほかの子たちと違うなって思う。



