「なんかすごいお疲れモードじゃん花純」


「えっ……あぁ、うん」


お昼休み、弁当を持って私の席へやってきた舞子が私の顔を心配そうに覗き込む。


「須永くんの家、馴染めないの?」


ほかのクラスメイトに聞こえないように気を使って小声で聞いてくる舞子。


「ん〜、まぁ……自分の家じゃないのはやっぱり落ち着かないよ」


「あーそれはそうだろうけど。でも、あの須永希夜の家だよ?この学校にいる全女子が羨ましがるポジションにいるんだから」


「そんなこと言われても……」


私だって、代わってもらえるのなら代わってほしいよ。


「じゃあ、勉強も手に付いてない感じ?」


「えっ、勉強?」


「うっそ、花純まさか、中間テストあるの忘れてた?」


中間……テスト……。
そうだ、すっかり忘れていた。


しかも、今回のテストは特に……。