「で、なんで俺の部屋に来たの?」


「あっ、えっと、お風呂、終わりました」


「呼びに来てくれたんだ。ありがとう」


「いえ……」


希夜くんは、机から立ち上がると少し離れたクローゼットへと向かって着替えを準備し始めた。


「小山さん」


「はっ、はい」


名前を呼ばれて、びっくりして少しだけ声が大きくなってしまう。


そんな私を、なんだか楽しそうな顔で見ている希夜くん。


「あの、そんな見られてると、恥ずかしいんだけど。それとも俺の勝負下着見てみる?」


「……っ?!」


ははっと薄く乾いた笑い声を出した希夜くんに、私の顔の熱は最高潮。


なんてことだ。


そうだよね。要件済んだならさっさと出て行かなくちゃいけないのに。


「ご、ごめんなさっ」


「じょーだん」


目をつぶって勢いよく謝ろうとすると、そんな声が聞こえたと同時に、フワッと頭に優しい感触がして。


顔を上げると、希夜くんが私の頭に手を置いていた。