「オオカミさーん!次の問題ください!」

そう言って子供たちが舞子の方へと集まって、スタンプを押すカードを差し出してきた。

「……くっ!見つかったかー!よく問題解けたね?すごい」

舞子は、少しかがんで子供たちに目線を合わせてから話し出す。

子供の前で、さすがに二見くんの煽りにかまってられないもんね。

「赤ずきんさん、俺にもスタンプちょーだい」

「あ、うん」

舞子と子供たちが話している間、二見くんがカードを差し出していた。

ポシェットからスタンプを取り出して、二見くんからカードを受け取ろうとすると、

グッ

ん?

「あの、二見くん?」

カードを彼の手から取ろうと思っても、力が強くて取れない。

カードから目線を外して顔を上げて二見くんを見れば、何やらニコニコと笑っている。

まったく……。

二見くんの友達らしき人は、舞子のことを気に入ったのか子供たちと一緒に舞子と話しているし。

どうしたらいいの……これ。