「ちょっと二見!あんたね、散々花純にちょっかい出しといてまだ懲りてないの?花純は優しいからあんたのこと許したのかもしれないけど、私は……!」

「舞子っ、」

慌てて、制するために彼女の名前を呼ぶ。

舞子がハッとして周りを見れば、道行く人が何事だと言わんばかりにこちらを見ていた。

こんなところで騒ぎになって問題にでもなったら、せっかくの学園祭が台無しだ。

あくまで、今回二見くんたちはお客さんとして来ているわけだし、当たり障りない感じで話してすぐに移動したほうが賢いと思った。

「っ、とにかく、花純が許しても私は許せないから」

舞子がキッと二見くんを睨み付ける。

「わかってるよ。早瀬昔からそうだったし。でも、そんなんだと、男寄ってこないよ」

「はー?あんた─────」

「あー!オオカミさん見つけた!」

二見くんの煽りに舞子が言い返そうとした瞬間、子供の声がして、その声のした先を見れば5歳くらいの男の子が舞子を指さしていた。

そしてその子の後ろにも数人の子供たちがいて。