もともと人通りの少ない道ではあるけれど、それでもいつ他人が歩いてきてもおかしくない。

そんな中、道にしゃがみこんでキスするなんて。

恥ずかしいよ。

もしかしたら、遠くで誰かに見られてらかもしれない。

そう思ったらすぐにでもやめて立ち上がらなきゃ行けないのに。

希夜くんに触れられてることに対しての喜びの方が上で。

「……んっ、」

希夜くんのキスに、溶けちゃいそうなぐらい身体が熱くなる。

寒くなってきてブレザーの中からもむくむくきているのに、全部脱いじゃいたくなるぐらい。

「……好きすぎておかしくなりそう」

角度を変えながら何度もキスを重ねる希夜くんが、少し唇を離してそういう。

そんなの、私だって同じ。
いや、きっと希夜くん以上だ。絶対。

一緒にいればいるほど、胸のドキドキは収まるどころかどんどん加速して。

「私だって……」

「ん。帰したくない」

希夜くんはそう言って、私のことをギュッと抱きしめた。