「俺の言葉よりも先輩たちの言葉の方が花純には響くってこと?」

「えっ、いや、そんなつもりじゃ!」

「そう言ってるように聞こえる」

「……っ、だってそれは……、希夜くんの気持ちだって信じてるし嬉しいよ。けど、私はやっぱり、人目を気にしちゃうと言いますか……嫌な気持ちにさせちゃったよね、ごめんなさい……」

昔からそうだった。
舞子にも、二見くんにも言われてたこと。

周りの顔ばかり伺って、他人の目ばかり気にして。

過剰にそう感じちゃうのはあんまり良くないってわかっているけれど……。

「……違う、謝るのは俺の方だ。ごめん」

「えっ……」

希夜くんは、突然その場にしゃがみ込むと両手で顔を覆った。

髪の毛の間から見える耳の先がほんのり赤い気がする。

「あー、かっこ悪い……ほんっと、」

「希夜くん?」

同じようにしゃがみこんで、同じ目線で名前を呼ぶと、希夜くんは少しだけ顔から手を離してわずかな隙間から横目で私のことを見た。