「あ、ごめんね、いきなり気持ち悪いよね!決して怪しいやつじゃないから嫌いにならないで!」
「いや、充分怪しいけどな」
先程ドアを閉めたもうひとりの先輩がさりげなく突っ込む。
「私は、三年の古畑 秋歌(ふるはた しゅうか)って言います!ずっと花純ちゃんのファンで!」
「えっ、ファ、ファン、ですか?!」
自己紹介してくれた古畑先輩がサラッと衝撃的なことを言うので慌てて聞き返す。
ファンって、アイドルとか芸能人に対して使う、あのファン?!
「ごめんねー花純ちゃん。この人悪い人ではないからさー、ただだいぶ気持ち悪いだけで」
「全然フォローになってないよ、あゆちゃん」
3人の掛け合いは、それぞれの仲が深いっていうのが十分伝わってくるぐらい息があっているとかいうか、気を使っていない空気感が、第三者から見ても感じられる。



