『ちょっと話があるの』
そう呼び出され連れてこられたのは、三年棟に向かう廊下の手前にある、被服室。
これから一体どんな仕打ちを受けるのか、考えるだけでも怖くて手が震える。
バタンッ
ひとりの先輩によってドアが閉められた。
「……小山花純さん」
「は、はいっ」
低い声で名前を呼ばれて、怖さで声が裏返る。
「時間がないから手短に言うけど、特進クラスのイケメン、須永希夜くんと付き合ってるってほんと?」
「……っ、」
やっぱり、希夜くんのことだ。
ここで素直に答えちゃったら、何されるかわからない。
けど、嘘をつくのは嫌だ。
もし周りから認められないとしても、私は、希夜くんの彼女だもん。
日に日に増していく希夜くんへの『好き』は、私の譲れない気持ちでもあるから。
「……は、はいっ、付き合ってます。希夜くんと」
私は、顔を上げてはっきりとそう言う。



