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「ねぇ、小山花純さんってこのクラス?」
みんなで教室や廊下で飾り付けをせっせと頑張っているなか、教室のドアの方から、私の名前を呼ぶ声がした。
ツンとした声にビクッとなりながら、私だけではなくクラスのみんなも、声の主に注目する。
目線の先にいたのは、3人の女子生徒。
見たことない人たちだったし、なんといっても、その存在の圧だけで、上級生だっていうのがわかる。
たしかに、私の名前を呼んだよね?
三年生が私になんの用だろうか。
「今あの人たち、花純のこと呼んだよね?」
隣にいた舞子にそう言われ、コクンと頷く。
どうしよう。ここは、自分から私ですって言ったほうがいいのかな。
でも、なんだか先輩たちは怒ってるみたいな雰囲気。正直、怖い。
「あれ、いない?」
「ちょっと待って、あの子。ほら、あの、赤い子」
っ?!
先輩の一人が諦めて教室を出ようとしたけれど、もう一人がそう言って私を指さした。
嘘でしょ……。
さりげなく、ずきんで顔が隠れるようにする。
私がなにしたっていうんだ。
もしかして、希夜くんのことで逆恨み、とか?!



