「いいね、すごく楽しみ。あ、学園祭、時間あったら一緒に回ったりできないかな?」
「え、いいの?!まわりたい!シフト決まったらまた連絡する!」
「うん。ありがとう」
希夜くんはそう言いながら、スッと手を伸ばして、外の風で少し冷たくなった手で私の頬を包んだ。
「……希夜くん?」
「……やっぱり、ちょっと、いつもと違う格好する花純のこと、すごく楽しみな反面、他の人たちに見られるの嫌だなって」
「えっ……」
「……普段と違う花純が見れるの、俺だけでいいのに」
フッと耳元に、希夜くんの吐息がかかって。
すぐに身体中が熱くなる。
「顔熱い」
「だって希夜くんが変なこというから」
「彼女のこと独り占めにしたいって思うのが、変なこと?」
「……それはっ、」
答える前に、耳に希夜くんのキスが降ってきて。
身体がどんどん熱くなると同時に、希夜くんの唇が触れるたびに身体が反応して。
ほんと、油断ならない。



