「あっ、ごめん、あの、嫌なら全然大丈夫!ただ、同居が終わるからその分、距離縮められることあるかなって思っただけで、その」

『嫌だ』と言われるのが怖くて、つい饒舌になってしまう。

「嫌とかじゃ、ないから!」

私の肩を優しく掴まえてはっきりそう言ってくれる希夜くんだけど、こちらを全然みてくれない。

無理してるようにしか見えないけど。

希夜くんは背けていた顔をチラッとこちらに向けて、やっと私と目を合わせて。

かと思えば、またそらして。

明らかに、さっきと比べて落ち着きがない。

「呼ぶ、呼ぶから、ちょっと待って」

ん?

そういう希夜くんの耳の先がほんのり赤くなってる気がして。

前に、希夜くん、私に名前呼ばせたときは何ともないことみたいに言ってたのに。

これじゃまるで……。

「……かっ、」