「うん、迷惑かなって思ったんだけど、どうしても家に帰る前に会いたくて」
大好きな人に『会いたくて』なんて言われて、嬉しくない人がいるだろうか。
希夜くんったらほんとサラッとそういうことを言うから心臓がもたない。
「好きな人が会いにきてくれて、迷惑なんて思うわけないよ!」
「……小山さん」
少しだけ目を見開いた希夜くん。
最近は随分表情がわかりやすくて、希夜くんのいろんな顔が見られて嬉しくなる。
「ほんっと、煽り上手」
「えっ、ちょ、……ん」
グイッと肩を寄せた希夜くんが、そのまま私の唇を奪う。
あまりに突然のことで、固まっていることしかできない。
すぐに唇を離した希夜くんの目がトロンとしていて。さらにバクンと胸が音を鳴らす。



