「希夜くんが、恥ずかしいこと言うから」
「え?俺何か言った?」
「うっ……」
絶対わかってるのに。
まるで私の口から言わせようとしてるみたいな。
「冗談。ごめんね、俺、小山さんの恥ずかしがる顔すごい好きで。ついついいじめちゃう。好きなのに意地悪するなんて自分でも意味わかんないんだけど」
希夜くんはそう言って私の頭を優しく撫でると、私のおでこにチュッと軽く唇で触れて。
「早く起きないと遅刻する。母さんが様子見に上がってくる前に下に行こ」
「う、うん」
希夜くんの行動ひとつひとつにいちいちドキドキが止まらない。
朝から刺激が強すぎるよ。
恥ずかしいなんて言う割に、希夜くんがベッドから立ち上がれば、なんだか少し寂しい気持ちになって。
ほんと、変なの。
「あ、」
ドアノブに手をかけた希夜くんが何かを思い出したように振り返る。
「付き合ってるの知ったら、母さんなにかとうるさいと思うからとりあえず今日はまだ」
人差し指を口元に当てて『しー』のポーズ。
ほんと、まだ起きて数分しかたってないはずなのに爽やかすぎだよ。
私は、首を縦にコクンと頷いて、希夜くんと一緒に部屋を出た。



