クール王子ととろける溺甘♡同居


「わたしだっておかしくなってる。希夜くんに触られると、フワフワして。なにも考えられなくなっちゃう自分が怖くなっちゃうぐらい」

「小山さん……」

希夜くんが優しく名前を呟いて私の頬を撫でて。

ほら、これだけでもうんと気持ち良くて、だんだんと瞼が重くなって。

瞬きがゆっくりになる。

「……希夜くん、」

徐々に遠のいていきそうな意識の中、手を伸ばして彼の頬に同じように触れる。

私から、こうやって希夜くんに触れるのは初めてで。すごく変な感じだけれど。

「あ、小山さん、もしかして……」

ボソッと聞こえた希夜くんの声。

落ち着く。

ずっとこのままがいい。

「……もう、離れないでね。だい、すき」

私はうつらうつらと、視界が霞んでいく中ゆっくりと希夜くんの頬から手を離して。

我慢の限界がきて、完全に目を瞑ってしまった。

「ちょ、今のタイミングでそれは確信犯すぎるでしょ。抑えきれなかったらどうするのほんと。……でもそりゃそうだね。ごめんねこんな時間まで付き合わせてしまって。ありがとう」

私が完全に眠りについてしまったとき、希夜くんがそんなことを呟いてたなんてつゆ知らず。

微かに優しいリップ音が響いた。