「俺だって初めて。女の子にキスするなんて」
「嘘だっ」
「本当」
希夜くんは呟きながら私の熱くなった耳たぶを触る。その仕草にさらに熱くなって。
あんなに何度もキスを重ねてきて、初めてなんて。そんなの絶対……。
「かっこ悪いから言いたくないけど、完全に見様見真似だよ。軽めに終わらせるつもりだったのに、なんか、やっぱり小山さんってかなりやばいみたい」
「やばいって……」
静かに尋ねれば、希夜くんはフワッと笑って。
「おかしくなっちゃうってこと。うまいとか下手とか考えられなくなるぐらい、小山さんにずっと触ってたくなる。もっと色んな小山さんを知りたい、もっと気持ちいいって顔すればいいのにって」
「……っ、」
希夜くんのあまりに真っ直ぐな言葉に、体温は最高潮になったんじゃないかと思うほど。
恥ずかしさで、顔を背ける。



