「……そんなこと言われても、」
そりゃあ、希夜くんの行動にたいして『脈アリ』をうっすら感じたことがないと言えば嘘になる。
だけど、やっぱり、二見くんのことであんな風に一方的に関係を終わらされた挙句、女の子とふたりでいるのを目撃しちゃったら、やなことばかり考えちゃう。
うまく言葉に出来なくて口籠っていると、再び希夜くんの手が伸びてきて、今度は私の鎖骨あたりを親指でツーっとなぞり出した。
「ちょ、希夜くんっ、な……」
「悪いけど、もうだいぶ我慢の限界で」
「へっ、」
「さっきはあんまりびっくりして、感動に浸れなかったから。もう一回、言ってくれない？」
「……っ、」
希夜くんは、そういいながら身体を引き寄せると、私の耳元に口元を近づけてきた。
「小山さんが、俺のことどう思ってるのか」
「っ、」
希夜くんの吐息がいちいちくすぐったくて、身体がビクッと反応してしまう。
スイッチが入って意地悪になる希夜くんの甘さには勝てっこなくて。
