さっきよりも、うんと希夜くんとの距離が縮まって目線をどこに合わせたらいいのか分からなくてとっさに下を向く。
希夜くんとこんなふうに至近距離になるのがすごく久しぶりな気がして、心臓が大きく跳ねる。
ドキドキと鼓動が速くなって、身体中が一気に熱くなって。
「……希夜くんは、誰といたの」
「小山さんが教えたら教える」
ずるいよ、そんなの。
教えちゃったら、今度こそ希夜くんが離れちゃいそうで耐えられない。
ううん。そもそも、希夜くんには特別な人ができてしまったんだから、結果、私は邪魔者だ。
やっぱり、聞きたくないかも。
あの子が誰なのか聞いちゃったら、いやでも離れないといけなくなっちゃうから。
この同居が終わるまでは、もう少しだけ……。
「……なんでそんな顔するの」
いろんな感情が入り混じって、涙が出てくるのを堪えるように唇をギュッと閉めていると、希夜くんの優しい囁きが耳元に届いた。
意地悪だよ、希夜くん。
この期に及んでも、こんなことするなんて。
やっぱり好きだなって思っちゃうじゃん。



