「そっか。見かけたんなら声かけてくれたらよかったのに。……あっ、『も』ってことは、小山さんは逆に男の人といたってこと?」
「えっ……」
墓穴を掘った自分に呆れてしまう。
希夜くんが、女の人といたことを認めたことも。
2つのことが一気に押し寄せてきて、なんだか喉の奥が痛くなって息がしにくくなる。
声かけてくれたらよかったのにって。
急に話さなくなったのは、希夜くんのほうなのに。
「実は俺、一回家に帰ってから外に出かけてたから。その時、いつもなら帰ってる時間に小山さんまだ家にいなかったから」
「あ、あぁ、なるほど……」
そう説明されて、さっきの疑問が解決する。
希夜くんは学校から一旦家に帰って、それからあの子に会いに行ったと。
「……それで?誰と会ってたの?」
っ?!
さっきまで壁にもたれていた希夜くんが手を伸ばしてきたかと思うと、その角ばった指が私の手首を捕らえて、そのまま引き寄せた。



