「今日、帰ってくるのいつもより遅かったよね」
「えっ……あっ、う、うん、」
私より帰りが遅かったはずの希夜くんが何でそれを知っているんだろうか。
「なんで?」
「えっ……」
私の方が聞きたいことが山ほどあるのに、希夜くんの方から問いかけられた。
ほんの少し、低くなった希夜くんの声。
希夜くんから今日の放課後のことを聞かれるとは思わなくて、少し考えてから、言うのを躊躇う。
私が今日、二見くんの会ったなんて知られたら、また希夜くんに変に勘違いされちゃう。
それだけは絶対に嫌だもん。
でも、嘘は付きたくない。
「俺に言えない?」
まるで、何か悪いことをしたみたいな気分になってしまう。
べつにやましいことは何もなかったし、実際に二見くんに会ってもう一度きちんと話ができてよかったって思ってる。
それに、希夜くんだって……。
私たちは恋人でも何でもないただの同級生。
たまたまこのお家にお世話になることになって、少し、私の苦手克服のために希夜くんに手伝ってもらったりはしたけれど、でも、本当にそれだけの関係。
お互いが誰と会っていおうが、干渉する必要はないはず。
だけど、私だけ怒られてるようなその感覚に、何故だかムッとした。



