「え、知り合い?」

「あ、うん。中学が同─────」

「元彼ですよ」

っ?!

二見くんのびっくり発言に驚いて、目を見開きながら彼を見ると、ニコッと笑顔を向けてきた。

こ、この人……。

「元彼?それって……」

ヤバイ。
希夜くんは、私が男嫌いになった理由を知っている。
私にひどいことをした元彼と、私が2人きりでいたなんて思ったら……。

「あっ、えっと……」

弁解しようと口を開くけど、プチパニックでなかなか言葉が出てこない。

どうしよう……!

ガチャ

「お、どうだ、二見、指のほうは」

「せ、先生っ!!」

ナイスタイミングでやってきた先生に、ホッとして声が大きくなる。

よかった、間一髪。
二見くんと希夜くんの間で、あの時の話をするのは、今の流れじゃ無理だった。

私は、慌てて「じゃあ、私たちはこれで」と言いながら希夜くんの手首を捕まえて、急いで救護室を出た。